ドライビング・ポジションとシート
ドライビング・ポジションは、ドライバーにとって運転操作上では最も重要なものの一つです。
身長の高低や体重の大小のみならず、上下肢の長短によっても変わる体形に合わせて、ドライバーの好みの運転姿勢を取れるようになっていなくてはなりません。
そこで設計者側からすれば、最も安価にできるシート・スライドの前後調整に、シート・バックのリクライニング機構を加えたモデルをベースとします。
続いてひとつ上のクラスには、シート・バックのランバー・サポート・コントロールや、シート・クッションの傾斜調節が加わり、ヘッドレストの上下動や前後の調節もできるようにします。
さらに上級車種では、ステアリング・コラムの前後(ステレコピック)や上下(チルト)調節も、ドライバーの腕の長短や、眼とメーター・パネルの関係位置に対するステアリング・ハンドルの視野妨害の程度に応じて、調整ができれば申し分がないでしょう。
このように、自動車ではドライバーという人間の個人的な好みに合わせて、機械の方を自由自在に調節するという、マン・マシン・システムとしてはいたれりつくせりの設計になっています。
また、エレクトロニクスの応用で、これらの調整を電気モーターで行ったり、なかには電熱ヒーター付きのシートすら作られています。